馬場 勉のコラム
『自今生涯』
B級ご当地グルメ
安くて親しみやすく地域を代表する食べ物をB級グルメと称す。地域起こしが本来の目的。グランプリを毎年決めている。B級というからには、安くかつ地域の特産となる食べ物という点が特徴だ。
日本経済新聞社のNIKKEIプラス 1 という特集版の平成 22 年 10 月 30 日付で専門家の選んだB級グルメのランキングが発表されていた。
それによれば
1 位 富士宮やきそば 静岡県富士宮市
2 位 甲府鳥もつ煮 甲府市
3 位 帯広豚丼 北海道帯広市
4 位 タコライス 沖縄県金武町
5 位 黒石つゆやきそば 青森県黒石市
6 位 宇都宮餃子 宇都宮市
7 位 ひるぜん焼そば 岡山県真庭市
8 位 今治焼豚玉子飯 愛媛県今治市
9 位 室蘭やきとり 北海道室蘭市
10 位 冷たい肉そば 山形県河北町
地域性の高い食べ物のためほとんど知らないものばかりだが、岡山の「ひるぜん焼そば」が 7 位に入っている。今年のB級グランプリの準優勝にもなったから、正真正銘の本物だ。私は、 2 度ばかり「ひるぜん焼そば」を食べた。少し油っこいがおいしかった。食の文化でも岡山はそれなりの地位を占めているから、まんざらでもない。岡山県内には隠れたB級グルメがもっとあるはずだ。昨年は、津山ホルモンうどんが3位になった実績が光る。
「ひるぜん焼そば」は、『約 50 年前に誕生したみそベースの甘辛いたれが特徴の焼そば。具材は産地として有名なキャベツと親鶏のかしわ肉。現在 10 店ほどで食べられる。』さらに『ありそうでなかなかない味』とか『西の軽井沢といわれる蒜山高原は観光スポットも多い』などと新聞紙上で評されている。連絡先は、ひるぜん焼そば好いとん会( 0867-66-3220 )まで。
その他のB級グルメのベスト 10 入りは、食べたことが無いから、私は知らない。その地域に行かなければ食べられない。多方面から、わざわざ食べるためにやってくるから、地域起こし、地域活性化につながっている。要は、まちづくりの一環であることを忘れてはならない。専門家が選んだ全国の 103 料理を候補として選出した中での 7 位に入賞したのが「ひるぜん焼そば」だからメデタシメデタシです。B級グルメは飾らぬ味が魅力であり、気軽にはしごができるところが良い。
早いもので 11 月に入った。今年は夏から一気に冬になった感じ。秋がとんでしまったようだが、紅葉の時期も間近だ。先日は台風が日本列島の東側をかすめて北上するなど、この時期に台風とはどういうことでしょうか。なんだか、お天道様はおかしいような気がしますが…。
大変残念なことですが、医師かつコラムニストであった「赤枝 郁郎」先生の訃報に接した。先生には色々お世話になり、瀬戸内海経済レポート(ビジョンおかやま)に、毎週、交替でコラムを書かせてもらった。また、私が主催していた「おかやま適塾」に出演してもらったりした(先生との対談が、おかやま適塾のホームページに収録されています)。山陽新聞の死亡広告欄(平成22年10月30日付朝刊)には、先生の遺言がのっていた。曰く「生前、我侭勝手放題をして、皆様方には大変お世話になりながら、何の御恩返しも出来ないまま旅立つことをお許し下さい。あの世より、皆様方のご多幸をお祈りさせて頂きます。本当に幸せでした。有難うございました。」という先生らしいユニークな本心からのお言葉でした。
大勢の人が参列しての旅立ちでした。またひとり、岡山を代表する、面白く楽しい人がいなくなったのは、淋しい限りです。
生まれてからこのかた88歳になるまで、先生が懸命に生きてこられた姿勢は、私にとってきわめて貴重な思い出として心にしみております。また、これからの私の人生の指針として、ありがたく参考にさせていただきたい思いでいっぱいです。 先生の享年まで私はまだこれから20年ありますので新たな気持で一所懸命頑張ります。
ご冥福をお祈り申し上げます。合掌。