馬場 勉のコラム
『自今生涯』
口蹄疫(こうていえき)に学ぶ
聞き慣れない病名。口蹄疫とはなんぞや。口(こう)はくち、蹄(てい)はひずめ、疫(えき)は流行病という意味だから、口と蹄に症状が出るウイルスによる家畜の伝染病。主に、豚と牛が病気の対象となっている。蹄が偶数の動物に出る病気のため、馬は感染しない。問題は、危機管理の意識だ。大臣、県知事、市長などは、平穏な平素は、部下が仕事をしてくれるから、居ても居無くても余り問題は生じない。ところが、何が起こるか分からぬのが世の常だから、いざ起こったときに、大臣ほか偉いさんが素早い対応が出来るかどうかに、彼らの存在価値があるといっても過言ではない。
そのためには、24時間365日、常に連絡の取れる状況にしておかないといけない。何時でも対処できるのであれば、極端な言い方をすれば、何処で何をしていても良い。高い給料を貰っているのは何の為かを考えれば、所詮は、危機管理の対処が出来るためだからだ。
ところで、宮崎県で広がっている口蹄疫はまだ広がるだろう。感染力が強力だからだ。
問題は、国家としての危機管理能力が欠けていることだ。前の赤松農林大臣は、口蹄疫が発生していることが分かっていながら、9日間も南アメリカの方へ旅行していたそうだが、初動対応に欠陥があったと言わざるを得ない。
火事と同じで、ボヤの時に火を消さなければ、燃え上がってしまえば延焼を食い止めるのがやっとということになる。間違いなく初動行為に手抜かりがあった。だから、ただ今でもウイルスが遠くまで飛び火し拡大を続けているのだ。前の農林大臣に損害賠償を転嫁して支払ってもらいたい。口蹄疫を聞くにつけ公人の身の処し方、日常生活の身辺のあり方に、思いを馳せているところである。
また、上に立つ責任のある人は、冷静でなければ判断を誤る。イラカン(いら菅)と云われる総理大臣菅さんは、イラではアカン(あ菅)のです。ゆったりと冷静にマスコミ等には丁寧に対応しなければ、マスコミを怒らせて見放され、マスコミ等が報道しなくなると、元も子も無くなるのです。
総理大臣になれたのもマスコミ等が色々報道してくれて、名前が国民に行き渡ったからです。パフォーマンスがお好きな人のようですから、上手くマスコミ等を利用する方が良さそうです。例えば、懺悔のためにお遍路をしたことがありますが、一人静かにゆけば御利益があるのに、わざわざマスコミ等に知らせて道すがら報道させる辺り、転んでもただでは起きない姿勢が、見え隠れして見上げたものです。これからも、イライラセズにマスコミ等を、逆手にとって高く売りつけるようにされたら良いのにと思います。いらんお節介ですが・・・。
イライラ興奮するのが、何故悪いかといえば、国の重大な案件を処理する場合などに、平常心を失って、取り返しのつかない大きな判断ミスによる失敗をしでかす蓋然性が高いからです。とにかく上に立つ人は興奮してカッカすることは厳禁です。相撲でも、慌てて取りこぼすことが多いことからも立証されます。