馬場 勉コラム
『自今生涯』

第17回

瀬戸内国際芸術祭2010(犬島の巻)

このコラムをしばらく休んでいました。すみません。手がまわらなかったためですが、楽しみに読んで下さっている方々には、申し訳ありませんでした。

先日、犬島(いぬじま)に行ってきました。非日常的な生活環境を味わうことができました。岡山市東区の朝日漁港に、宝伝(ほうでん)という船乗り場があって、本土からは2.5km(所要時間10分程)のところに、数本の煙突が建っている島が見えます。そこが犬島です。

犬島は、もともと花崗岩(犬島みかげ)の産出で有名な島です。大阪城築城に切り出された実績があります。平安時代からの古い歴史があり、現在50人余が生活されている島です。

近代の産業遺産が残っている島として名を馳せています。すなわち、明治42年(1909)年から大正8年(1919)年まで、島の南東部で銅の精錬が行われ、廃業後は、そのまま放置され、レンガ積みの煙突等が残り、レトロな雰囲気の遺構として、独特の風景をかもし出している。私は、過去にも島に渡ったことがあったが、視察を兼ねて新しくなった犬島へ行った。

ここ10年程前から、直島(香川県)で文化的活動をされている「直島福武美術館財団」が犬島の再開発(アートワーク設置等)にとりかかって整備をしてきた。ようやく一般公開にこぎつけたという経緯があります。

岡山いや日本の人より、むしろ外国の人の方が興味を持たれているふしが見られるアンティークな美術の島です。

芸術作品として、私の想像を遥かに超える作品群が多く展示されている。評価のしようもないが、楽しいことに違いはない。一見の価値あり。

ところで、新聞にも広告が出ているが、来る7月19日から10月末日にかけて瀬戸内海に浮かぶ7ヶ所の島々を中心会場に「瀬戸内国際芸術祭2010」が開催される。副題は「アートと海を巡る100日間の冒険」となっている。

犬島を始め、直島(なおしま)、豊島(てしま)、女木島(めぎじま)、男木島(おぎじま)、小豆島(しょうどしま)、大島(おおしま)及び高松港周辺で行われる。

また、犬島では、7月20日から8月1日まで、犬島アートプロジェクト「精錬所」内の野外特別劇場で「繊維派犬島公演」が行われる。

多くのギャラリーが、集結するものと考えられる。島であるから船により渡ることになるので、足の確保が必要になる。ウェブなどにより、船便などを必ず確認されることをお勧めする。

いずれにせよ、綺麗に整備されていて、平素の日常生活とは別世界の空間があり、背景は穏やかな瀬戸内海であるから、多忙かつ雑音の多い日々の生活から開放されて、ユートピアの世界に浸るのもよろしいようです。一度、訪問されてみてはいかがでしょうか・・・。

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