馬場 勉のコラム
『自今生涯』
一期一会
早いもので、 28 年も1ヵ月が過ぎた。寒波で寒い日もあったが、暖かい日が続いた年始だった。
久しぶりの雨が降っている。年始の初詣では、少しずらして人出がひと段落してからと決め込んだが、それでも結構多かった。
京都の伏見稲荷大社は、外国人に人気があるらしく、半数は日本人以外の中国、韓国、アメリカ人、その他で国際色豊か、初めて頂上( top )まで登った。
頂上にあるおみくじは、大安ということで気分を良くしたが、紙ではなくボードに映し出されて、時代の流れを感じた。その他の神寺は、例年通り初詣に出かけた。
最近思うことは、世代の交代が進行していること。私が年をかさねてきたせいかもしれないが…。
特に心して対応しなければと思うのが、「一期一会」の精神である。一度お会いしても、二度と会うことはないと思って、人と接する必要を切実に感じだした。
転勤や仕事を辞めて、年金生活に入る人。また、仕事を辞めたり、亡くなったりするからである。淋しいかぎりだが、致し方ない事だし、自分もいつかは、そのような道程を辿ることになるであろうから、他人事ではない。
私の所属する不動産鑑定業は、全体からみれば、辞めて行く人が新規参入の約3倍にあたり、ジリ貧の状態である。まだ、岡山の人は人がよいから、他県からの流入組を暖かく迎え入れるところがある。面倒見がよいというか、既得権を主張しないところがよいのではないかと思う。
甘利(あまり)経済再生相は辞職した。週刊誌に金のやり取りを書かれて、潔く事実を認め辞職した。人間的には好感がもてる。ああだ、こうだと言い逃れをして辞職しないで、居座る人が多いなか、人柄にもよるのだろうが、潔いところがいい。出処進退は大切である。私は、人から色々批判を受けることはないが、仮に甘利大臣の立場であればどういうような身の振り方をするであろうか?と思うが、多分、身を引くであろう。「言論・表現の自由」といわれるが、テレビ、新聞、雑誌など多種にわたるメディアが、それぞれの立場で、多角的に自由に発言できる日本は立派である。言論を弾劾して取り締まる国が、多い中にあって日本は良い国だといえる。
日銀が、マイナス金利を導入した。お金を銀行から預かってやるから預り代を支払えということだ。痛い目にあうのは銀行であろうが、いい方向に進むのか悪い方向に進むのかは、やってみないとわからない。
アベノミクスが失敗したということでもある。インフレ率 2 %目標達成は出来ないということ。金持ちは、だぶつく金を株式や金(きん)などに投機するだろうから、株式は上がるかもしれない。
良く理解ができないが、いわゆる民法でいう、物(お金)を預かる以上、預け代(安心料)を支払えと言うことになる。株式等に投資するのも失敗する可能性がある。どうも、世の中、住みにくくなった。銀行は貸し出すことを考えればよいが、貸し渋る現象がみられる。素人にはよくわからない「一寸先は闇の世界」に入っていくだろう。