馬場 勉のコラム
『自今生涯』
異文化を理解しよう
私の自宅前に、フレッシュワンというスーパーがある。午前9時開店から老人を含め、列を作っている。街中にあるが、私の近所には元気なお年寄りが、結構いる。子供の姿はあまりみない。多分、学校に行っているのだろう。「メッセージ」という会社を御存知の人は、新聞・雑誌・テレビなどに関心のある人か、株や介護関係に詳しい人だろう。いま、問題が表面化している介護サービスの虐待問題に関して、厚生労働省が介護保険法に基づいて、本社(岡山市)に立ち入り検査をしたばかりだ。
介護施設をはじめ医療関係業界は補助金行政で、よく儲かる商売らしい。どこも立派な建物を建てて、老人を勧誘して入居させている。手とり足とりで「殺さず、生かさず」、経営することが、儲かるコツらしい。医療・介護関係等(社会保障費)の年間予算が 30 兆以上で、天文学的な金額だ。元気なお年寄りでも、入居している人は多い。
本当に手とり足とりしてもらって、楽をする生活をしながら、長生きするのが幸せかどうかわからないが、とにかく街中をみても、老人の姿は少ない。少子高齢化社会というのにだ。岡山市に本社のある株式会社「メッセージ」は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を、全国に約 300 カ所展開し、居室数では業界トップ。代表取締役(会長)は、橋本俊明氏で医師が本業である。彼の信条は、医者は儲からない。しかし、補助金の恩恵にあずかれる介護施設の運営が最高に稼げると信じて「カネ・カネ・カネ」ということらしい。別段、羨ましいことはないが、色々非難を世間から受けてまで、介護を経営することが本当によいことかどうかと考えるが、所詮は人生の生き方の問題だから、それはそれでよいのだろう。ゆくゆくは、刑事事件に発展する可能性もあることだけは、はっきりいえることだ。
私ごとだが、結構忙しくしている。趣味に生きる年金生活者ではないから、いろいろ時間をやりくりして生活している。年齢の割には、元気で若くみえるらしい。自分で言うのもおこがましいが、どうもそうらしい。他人の評価だから、それはそれでよいとしよう。
日本は、韓国・中国(チャイナ)とは上手くいかないが、台湾とは仲がよいといえる。先般、中国の西安(昔の長安)に、兵馬俑坑博物館と空海の開祖 1200 年を記念して青龍寺(空海記念館、空海が長安で密教を勉強した寺院)を参拝するために行った。世界遺産の兵馬俑坑博物館は西安の中心部から、バスで約 1 時間程かかるが、大変多くの人(年間約 1,500 万人)が訪れる。ちなみに、京都は、年間約 5,000 万人弱だ。
中国は、 13 億人余の人口だから、交通事情はメチャメチャで、交通事故が怖い。少数民族の回族(かいぞく)が経営する夜店があって、独特の文化が芽生えている。日本でいうアメ横の夜の部というところ。日本人は遣隋使、遣唐使を送って中国から学んだ。ひらがな、カタカナを考え出して、日本語を発展させた。だから、漢字がわからなくても、ひらがなやカタカナで表現できる。しかし、中国は漢字(簡略化されているが)しかないから、頭がよくないと字が書けない。中国人は、頭は悪くない国民だと思うが、日本人からみれば、自分勝手で義理人情に乏しく、かつ、人を信用せず、マナーが悪い。旅行慣れしていないためか、日本で爆買いしていくため困る。日本だけではなく、本国でも同様のようだが。
さらに、台湾にも行く機会があり、見聞を広めた。台湾は親日の国だ。日本が 50 年間にわたり、植民地化していたが、日本の先人が、台湾に多くの貢献をした。だから、日本に感謝こそすれ、悪く考えている人が少ない。日本語が通じる国である。若い人は日本語は無理でも、年配の人は日本語が話せる。日本人の美談が、語り継がれている。
日本人は、物忘れの激しい国民だから、戦争当時の虐待などをいつまでも言い続けない。反面、韓国や中国(チャイナ)はいつまでも、慰安婦問題や被害妄想的に色々な面で日本を非難し続ける。日本は、アメリカやロシアに対して、ほとんど過去の事柄について、文句を口にしない。どうも、文化が異なるように思う。異文化を互いに認めて、理解する必要がある。旅行で外国に行っても、ただ物見遊山だけで終らせるのではなく、国民性や衣・食・住の違いを見聞して、異なる文化を受け入れることが、相互理解につながるのだと思う。そうすれば旅をする意味も深まる。
日本の国内でも、地域により文化が異なる。四国88ヵ所をまわっても、四国地域のお遍路文化を感じることができる。
岡山は、江戸時代は池田藩が治め、遊郭などを認めなかった。それが、いまでもソーブランドなどを許可しない数少ない県となっていると思う。京都(祇園)や金沢(加賀)等の花街などの文化や風俗が、岡山には芽生えなかった。良かったのか悪かったのかわからぬが、現在の岡山の発展の障害になっている面もある。夜は、特に面白くない街であり、かつては教育県として名が売れていたが、現在はどうしたものか下位に転落している。また、荒れる学校が多い結果になっている。
所謂、頭のよい利口な人は多いが、バカになって街のために働く人が少ない。自分の為にのみ、いや金の為にのみ生きる人が多いといえる。
東京五輪は、うまくいくのだろうか?佐野研二郎氏のエンブレム問題でケチがつき、興ざめしている。
経済同友会の小林善光代表幹事が、オリンピックに対する日本の対応(いろいろ問題が表面化している)に関して、世の中全体が、たるんでいるという主旨の発言をされていたが、同感である。