馬場 勉コラム
『自今生涯』

第163回

平成26年が終ります

今日は、官公庁(企業)の御用納め。弊社も基本的に今日で、今年は終ります。まずまずの年でした。来年 5 日より仕事再開。まだ、こまごまとした用事が残っておりますが、年末年始は京都へ行き、伏見稲荷神社で商売繁昌などを祈願したいと思っています。

今年はいろいろありました。私が関心を持ったことを箇条書きしてみると、

①ナッツ・リターン騒動。ファーストクラスに私用で乗っていた韓国財閥の三世である大韓航空の副社長  趙顕娥(チョ・ヒョナ)が客室乗務員(CA)のナッツの出し方が気に食わぬと、発進間際の飛行機(大韓航空)を引き返させたという事件。問題が大きくなって、検察当局は逮捕状を請求する騒ぎになった。「深層にこそ、真相がある」ということで、韓国は複数(約10)の財閥で 7 割の富を牛耳っているという事実、これに対する国民の反感が根底にあるということか。

財閥系の企業に就職するために、日本以上に入試が厳しく、受験勉強に一生懸命だとのこと。財閥の二世、三世の振舞いにヒンシュクを買っているのだ。日本でも、三菱、三井、住友というような戦前の財閥は、戦後の財閥解体で力を弱くしたが、それでも名前は歴然として、現在でも幅を利かせている。ただ、美術館やメセナなど社会貢献をしている点は評価できる。

韓国ではどうなっているのか知らないが、我が物顔で自由気ままにやっているのではないかと思う。日本では「親苦、子楽、孫乞食」と揶揄されているが、確かに苦労が足りないと思われる節もある。子や孫には靴の底が抜けるぐらい苦労させる必要があるのかもしれない。

②理化学研究所の小保方晴子(おぼかたはるこ)研究員のSTAP(スタップ)細胞は存在が証明できなかった。若手研究者(リケジョ)の画期的発見として社会を驚かせた発表も、事の真相がはっきりしないまま終結した。理研は、国がお金を出している権威ある研究機関で、イギリスの科学雑誌ネイチャーにも、華々しく取り上げられた。なぜそうなったのか、真相は闇の中だ。今後の研究次第では、STAP細胞が見つかるかもしれないが・・・。

③大阪市の千林商店街で産声をあげ、あれだけ元気だったスーパーダイエーが本日限りで上場廃止になり、当面は事実上イオン系列の一環として生き延びることになる。ダイエーは岡山市にもあった。安売りでスーパーの代表として押しも押されぬ存在だったのに、生き残れなかった。バブル崩壊による不動産の急落により、新規開業資金の自転車操業が行き詰ったといえるが、経営の在り方にも問題があったかもしれない。

創業者の中内功氏は叩き上げだったが、商売そっちのけで経済界活動に力を入れ過ぎたきらいがあった。

中内ダイエーは、それなりに日本の経済に大きな足跡を残したことは評価されるが、中内氏の存在が大きすぎて、二代目が養成されなかったことは、韓国の財閥の行く末にも相通じるものがある。

④アベノミクスは成功しているのかどうか?円安・株高になり、10年物の長期国債の実質金利が 0.31 %になった。国債を日本銀行が買いまくり、市場に出回らなくなったためらしい。日銀の政策が良いのかどうかはよくわからないが、金持ちと貧乏人の格差が大きくなったことは間違いない。銀行は儲けが少なくなり、合併する時代が再来するかもしれない。住宅ローン金融などは金利が下がって、不動産が動きやすくなるかもしれぬが、消費税の問題などでそう簡単にはいかないだろう。

⑤世の中には、非正規労働者が 2,000 万人を超え、労働者の 4 割弱( 38 %)が不安定な雇用状態だ。特に、官庁においても非正規労働者が多くなっているため、期限付き雇用は、就職年限を限られると仕事をおぼえ、仕事ができるようになった頃にクビということになれば、雇用されている人が心を入れていい仕事をするかどうか疑問だ。本気で仕事をしないのではないかと思うが、どうかな。

⑥「下駄の雪」という言葉があるが、その意味に実感がわかない。岡山市は寒いけど雪はあまり降らない。今年は、日本海沿いや北海道、東北など大雪のようだ。雪は溶けてしまえばただの水、雪に悩まされるなど想像できないのだが、大変な事らしい。除雪作業など意味がないように思われるが、それは雪の降らない土地柄の気持だろう。大雪に悩まされて、御苦労な事です。

最後になりましたが、今年も拙文をお読み頂き、ありがとうございました。

来年も、よろしくお願いします。

これをもって、今年はおしまい。

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