馬場 勉コラム
『自今生涯』

第161回

霊場開創1,200年を結願

来年のカレンダーが届く時期になった、今日この頃です。高倉健さんが亡くなった。芸能界に疎い私でも、美空ひばり、渥美清、高倉健は知っているが皆他界してしまった。淋しい思いがする。口数少ない人だった高倉健さんだが、人間的には魅力ある情けに厚い人と評価できる名俳優だった。昨年には文化勲章授与された人であった。

四国の八十八ヶ所霊場が開創されてから 1,200 年に当たる今年は、お遍路さんが多く約 15 万人程に及ぶようだ。私は、先日八十八ヶ所をめでたく 1 年間で回りきった。結願できて満足している。

いつも思うことだが、人間の信仰心の力の大きさだ。現在のように動力があるわけではない時代に、人力だけで山道を頼りに資材を運び上げて、建物を立て、かつ、お寺を整備していることに驚いている。それも一ヵ所だけでなく全国に多数存在していることに感動を覚えている。八十八ヶ所霊場をクルマでお参りしても冷や汗をかくような狭い道や勾配のきつい参道もある。従って、現在でも維持管理は大変だろうと思っている。何故お遍路をするのかと、問われても回答に困るが、何故か目に見えない魅力があってお参りしたくなることだけは本心である。私は、 10 年以上かけて 8 巡目が満願となった。来年から納符(おさめふだ)が白から赤に変り、巡路の地位が上昇する 9 巡目に入るが、 1 年間で八十八ヶ所を遍路するのを目標としている。四国の四季折々の自然が私を呼ぶ。高い山の上の所もあれば平地もある。それぞれの変化がまた魅力的でよい。宿で食事したり、風呂(温泉)に入るのも楽しみである。

今年は、師走の忙しい時に衆議院の選挙がある。 700 億円程の軽費がかかるらしい。選挙特需で思わぬ利益を得る人もいる。公務員も駆り出されるため残業手当が入り特需の恩恵を受ける人といえるかもしれない。選挙をする必要があるかどうかは分からないが、掛かるお金を別の目的のために、有効に使用した方がよいかもしれないと思うが…。

与党はガッチリしているが、野党は「小異を捨て大同に就く」ことができず、分裂状態でまとまりが悪い。与野党の一騎打ちであれば野党が勝つだろうが、今の党派の構成状態ではどうもならないような気がする。ただ、与党が一方的に勝てるかどうかも疑問だが。

アベノミクスは、成功したのか失敗したのか評価が分かれるところだが、金持と貧乏人との二極化が進行していることは事実だろう。中間層が少なく薄くなっていることだけは、現実として認定できるだろう。世の中、経済的な歪みが進行していくことは良いこととはいえないだろう。人権意識が強くなってきているから、貧困層を放置して置くこともできない。憲法で保障された最低限の生活を人間として支えなければならず、その他の名目の社会保障費も拡大していくことは事実だろう。これから困った世の中が進行していくような気がしてならない。

岡山駅前に、イオンモール岡山がいよいよ開業することが現実味をおびてきた。果たして目標通り年間 2,000 万人が来てくれるかどうか、一極集中のコンパクトシティーになるかどうか疑心暗鬼だが…。開業した最初の頃だけでなく永年にわたって、達成できるかだ。他力本願でなく、本気で裾野が広くなるように表町商店街をはじめ各地の商店街は、真剣にならなくてはならない。

私の事務所の隣にあるイトーヨーカドーはかなり真剣に取組んでいるように思える。

二大商圏が渡り合うようになればよいのだが。市民としては多角的に競争状態になれば、恩恵を得ることができてよいことなのだが…。

参考までに「偽る」は人の為と書く。例えば、政治をする場合に多く使われる国民の為、が、ほとんどが偽りになることが現実になってしまっては困るのだが…。漢字は真実をついてうまく組合せて書くものだと思う。相手方である国民等も注意が必要だし、人の為にするというようなことは軽々しく言わないようにしましょう。

CONTACT
ご相談窓口
お気軽にお問い合わせください。