馬場 勉のコラム
『自今生涯』
春がそこまで来ています
例年にない記録的な大雪で悩まされた所も多かった。岡山市内でも、かなりの雪が積もるなど数十年ぶりの珍しい冬でした。
岡山市の西大寺会陽(えよう)が 2 月 15 日(土)夜に行われた。西大寺会陽は備前平野に春を呼ぶといわれている奇祭である。 2 本の宝木を常連の 2 グループが手に入れた。最近ではグループでなければ取れない。昔は、単独の人でも入手していたが、現在はプロ集団でなければダメらしい。組織化されてきた。
3 月に入れば奈良の東大寺二月堂でお水取りが始まる。お水取りがクライマックスを迎える 3 月 12 日になると春がめぐってくる。春分の日 3 月 21 日になれば、暑さ寒さも彼岸までという言い習わしだからもう少しの辛抱である。
先日、冬のオリンピックが終わった。ロシアのソチというところで行われた。黒海に近い避暑地だそうだ。
日本は金 1 ・銀 4 ・銅 3 の 8 個が日本の成果だった。若い人が活躍する中で、最年長の 41 才葛西紀明氏が、 7 大会連続出場し男子ラージヒルで銀メダルを獲得したのは、驚異として光った。まだ続けてやると、現役を続行し金メダルを目指している。その意気込みは高く評価されるし、年齢に関係なく頑張っていることは人々に感動をあたえた。年齢に関係なくいつまでも出来るものだ。
最近テレビを見ていて新しい感動を得た。それは、どこかの偉いお坊さんの話だったが、人間関係で必要なことは一言でいえば「仁」である。「仁」とは人間二人の関係を意味している。要するに、思いやりの心である。おもてなしではない。「仁」は中国古典で盛んに言われ人間関係に於いて大切な心構えとして表現されている。また、仏教では「一得一失」という言葉がいわれているとのこと。得をしたら反面損失が生じるということ。失敗したと思えば成功することもあるから一喜一憂せず平常心で生活に望むべきであるという意味であろう。なかなか味のある言葉である。私もこれからは「一得一失」の気持で進みたいものである。
ところで、岡山市は人口増の数少ない都市だが、岡山を知っているかどうかの全国調査では、 40 位以下で下から数えた方が早い。たしかに、京都・東京などで岡山から来たといっても正確に把握している人は少ない。遠いところをわざわざお出で下さってありがとうと労いの言葉をいわれる。相当、岡山という田舎から来たように思われるのが一般的であり、新幹線を使えば近いところですよと説明するのだが、額面通り受取ってくれない為、めんどくさくなるくらいだ。
今年秋には、岡山イオンモールが岡山駅前に開業する。 2,000 万人の集客力があるとのことだが、一概には信用できない。岡山県民 200 万人が年に 10 回来ることになるが、有り得ないことだ。周辺から乗り物に乗ってくるのだろうが、 1 時間以内に住んでいる周辺の人口は 2,000 万人いるらしいから、魅力を感じる楽しい施設等にすれば達成できる。だから、思い切った奇抜な設備を備えてほしいと思う。
私は、岡山イオンモールのように富士山に例えるとてっぺんが高くなるから、それに従って裾野が高く広くなるから駅東や駅西の街がしっかりやれば良い相乗効果が生じると思うが、反対に他の街並みが何もしなければ、ストロー現象で岡山イオンモールだけに客が集中するようになる。やってみないとどう転ぶか分からないが、既に岡山市内では都市再開発事業の話が6ヵ所余りあるらしい。全部が立ち上がるとは思われないが、いくつかは実現に成功するだろう。
ただ、柳川ロータリーの南東角の中山下一丁目一番地区市街地再開発組合は役所の正式許可が下りて事業計画が進んでいる。出来上がるまでにまだ 4 ~ 5 年掛かるであろう。回遊性と楽しい街づくりには是非必要な場所だと考える。成功を祈りたい。自分ごとで申し訳ないが、法律で決められている審査員(全 3 人)の一人として参加できることになったので、岡山発展のため頑張りたいと考えています。