馬場 勉コラム
『自今生涯』

第133回

セミとツバメ

7 月は今日で終了。一年中で最も暑い頃。街中が暑くなったらしく、例年より早目に岡山市内中心部で、セミの鳴く声がうるさいぐらい。恋の季節だから自然界のことには、口出しせずに静かになる時が来るのを待つことにしよう。岡山市内には、川や草木が多く自然環境がまだ良いためセミは、あちらこちらで鳴いているのだろう。心配なのは、ツバメがあまりお目に掛かれなくなったことだ。中心部は餌になる虫が少なくなったためだろう。ツバメの巣をあまり見ないし、飛ぶ姿もお目にかかる機会が少ないような気がする。岡山市中心部が、都市化している証拠かも知れないが、どうなっているのだろうか?

先日、京都へ行く機会があった。関西地区経済同友会会員合同懇談会への出席の為で、岡山からも 20 名余りが参加した。会議の内容は「どうする?日本」という刺激的な話で面白かった。

夜の二次会に祇園のお茶屋「一力」に行って遊びを習ったが、昔の町衆のお金持は、こんな遊びに興じていたのかと思った。

掛け軸の“書”に興味がわいた。何という字なのかと思案したところだ。松という字を木を上に書き公を下に書いて一字としていた。なんと読むのかと同じテーブルの人と話合ったが、さすがというべきか岡山経済同友会の事務局長の金森さんは元山陽新聞の記者をしていただけに、松という字を縦にしたのだろうという考えだった。例えば、峰(みね)は山を上にして峯と 書くことがあることからもわかる。同席したお姉さんの説では、やはり松で偉い人が(孔子さま?)木の下で休んでいる状況を示しているとのこと。なるほどと思った。全体で松風と書いているのだった。同席していた岡山経済同友会の材木問屋をしている人が、桧(ひのき)は木を上に書き下に会うと書けば、洒落になると相槌を打つ。一力には約 130 年前に、 9 代目の当主が造らせたという赤穂浪士四十七士の像があり、現在も榊をたてて祭っている。歴史を感じさせる。四十七士が、その昔一力に出入りしていたとのことである。また、トイレも趣きがあり、歴史を感じたところだ。一見(いちげん)さんお断りであるが、すでに利用したことになるから一見客として、断られることはないはずだ。これからは、一人でも入店できることになる。ただ、お金が掛かるから、高くつく遊びであることを覚悟の上でご利用を!アベノミクスでお客さんが増えることを願いたいが、最盛期から見れば、お姉さん達は少なくなっているようだ。斜陽産業ともいえるお茶屋業界であるといえるようである。

話は変わるが、先日の 7 月 21 日の参議院選挙で自民党は大勝し、アベノミクスに拍車が掛かると思いきや、むしろ株は大きく下がる現象が出ている。日本の株式の3~ 7 割方(一定していないが)は物言う外人投資家が持っているらしいから、外人は儲けだけを考えて動く。本当のところ、外人はアベノミクスにそんなに高い評価をしていないのではないかと思う。外人は、約束を守ることを大切にする人達だ。例えば、消費税の現行 5 %を 8 %に、さらに 10 %にするといっていたが、現在は異論がありもたもたしている。日本は、約束を守らない国と烙印を押されて相手にされなくなる。また、アメリカを相手に輸出している企業は業績は良いが、中国やヨーロッパを中心に輸出している企業は、赤字決算になるなど、各社の業績の発表によれば全企業が一律に良好ではないから、グローバル化した時代では予想が難しい時代になったという感じがする。ただ言えることは、実態経済が中心になって株式は成り立ち、淡い期待のみではどうしょうもならないといえるから、過度のアベノミクスへの期待はすでに終了したといえる。

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