馬場 勉のコラム
『自今生涯』
最大の野党は、マーケットだ
7 月 22 日は土用の丑の日。 7 月 23 日は大暑だった。さすがに、外は暑く頭が変になりそうだ。近所の人が亡くなって葬式があった。暑さが弱った体にはこたえたのであろう。ただ、そんなに齢を取っていたのかと思った。男も女も 60 歳以上になれば、見た目だけでは正確な年齢は判らない。人によって、齢の取り方が違うように思う。私は、実年齢に 7 掛けした程度であればよいのだがと考えている。年齢は、人によって条件が異なるため判らなくなるものだ。近所の男性で 95 歳という人がいて、自転車に乗って買物にも行くし、背筋も真っ直ぐで体もしっかりしているから、人は、環境や遺伝子あるいは気持の持ち方で、その気になれば元気に長生きできるし、俗にいう悪いところも無いということになれるものだということだろう。
先日( 7 月 21 日)、参議院選挙があり予想通り自民党の大勝に終わったが、自民党単独では、参議院の過半数に至らず、盟友の公明党の協力を得ないと過半数を占めることができない。衆参のネジレ現象も公明党の協力がなければ解消されないことになる。ということは、国民のバランス感覚の結果がそうさせたということらしい。妥当と思われる。バランスの取れた状態が、暴走を許さないということでよろしい。一党独裁はよろしくないということだろう。
野党の各政党は分裂していて、二大政党の実現の到来は、現実問題難しいのだろう。
しかし、考えを変えれば、最大の野党はマーケット(株式市場)といえる。情実は一切なく、ただお金という点のみで、すべてを左右するからだ。政治が変な方向に向かえば、株価にたちまち表れる。株価の予想など、本当のところ分からない。明日の価格の予測は、勿論、その日の前場(ぜんば)と後場(ごば)で上下幅のふれが大きく、株価の成立の要因が、非常に複雑でグローバル、かつ、変動要因は無数である。一喜一憂する必要は無いが一筋縄にはいかない難しさがある。大きな経済のうねりの先行のトレンドはなんとなく分かるような気がするがそれも難しい。明日が上がるか下がるかという短期的な予想すらどう動くかが分からないのが現実である。
だから、純粋に経済の動きを、素直に示すマーケットの株価は、時代の只今を反映している。よって、政権に対する最大の野党だといえるのだ。人情や情実を考える人間社会に於ける経済は、当てにならず、アベノミクスが本物かどうかは、株価の動き(マーケットの評価)を吟味するのが、一番手っ取り早いといえると思われる。が、いかがでしょうか?
当てにならない現実の政党である野党より、マーケットを十二分に分析判断する方が、本当の意味に於いて正確であるということになる。勿論、安倍首相や他の大臣はマーケットのことをよく認識しているはずだから、マーケットに注意を払って、政権運営をすることが大切だろうが…。
アベノミクスに対する期待感だけで、株価が上昇することは、すでに終わった。淡い期待をするのは今後、あまりできないのではないか。現実を伴った株価実現が、時代を反映する本物の経済や政治の時代になるはずである。
今後、おおいに安倍政権に期待したいものである。