馬場 勉コラム
『自今生涯』

第130回

富士山が、世界遺産に

苦節 20 年余りにして、ようやく富士山が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第 37 回世界遺産委員会に於いて、日本政府が推薦した富士山(山梨県と静岡県に跨っている)と景勝地の「三保松原」(静岡市)が、世界文化遺産に正式登録を決定された。国内で 17 件目。正式登録は 26 日の審議終了日になる。日本の象徴として、文化的な価値が高く評価された。山岳信仰の対象であり、浮世絵などの芸術作品に多数描かれている。

新幹線で通過する時に、北側に見えるのだが、実際に見えるのは冬場で、その他の時期には姿が見えることは少ない。

七合目あたり以上に雪が積っている富士山が最も美しく、夏場の富士山はタダの山で、それ程美しいとは思はない。

私は高校生のときに、富士山登山に参加したことがあったが、天候が悪く途中で下山した経験がある。今まで富士山が世界遺産として登録されなかった最大の原因は、ゴミが多く、トイレも整備されていなかったことらしい。入山料 1,000 円を徴収することになるらしいから、環境整備に力を入れてほしいと思う。夏山登山は、満員の状態のラッシュで大変らしいから、登山するのは、少し落ち着いて様子を見てからにしたいと思う。日本国民の長年の念願が叶ったことは喜びたい。

岡山県立美術館に“美作(みまさか)の美術展”を見に行った。美作国ができてから 1,300 年になるのを記念した協賛展である。

美作国は、和銅六年( 713 年)に備前国から分割された。今年が 1,300 年の記念すべき年になる。現在の岡山県は、備前・備中・美作から成り立っている。美作は津山市を中心に岡山県の北部に位置する。昔は播磨国・印旛国・伯耆国に囲まれていた。八世紀末に編纂された「続日本記」によると、美作国は英多郡・勝田郡・苫田郡・久米郡・真嶋郡・大庭郡の六郡を、備前国から分離して設けられたとのこと。

中国山地に産する豊かな砂鉄と広大な川沿いに広がる耕作地を有し、南北を結ぶ道と運河に恵まれ資源、流通の両面で極めて優れた地勢であった。

美作国府は津山市にあったことが確認されている。白鳳時代の寺院跡が多く残っている。備前国に次ぐレベルの先進地域であった。豊かな仏教文化が、往来されていたことが廃寺や残存する立像などにより証左される。

美作国一宮である中山神社また二宮である高野神社が、津山市内に現存している。宮本武蔵や法然上人など歴史上の人物を輩出している地域柄である。

いずれにせよ、美作国 1,300 年の歴史にかかわるあらゆる面からの品々が、約 150 点展示されている。多彩な美術品等は、一見の価値ありと思います。

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