馬場 勉コラム
『自今生涯』

第127回

石段を一歩一歩登りながら考えた

ゴールデンウイークの後半の 3 泊4日をお遍路の旅に出た。室戸岬を回るコースで全 16 の寺を訪れた。約 660 ㎞走破。気候もよく天気にも恵まれたため、多くの個人のお遍路さんが多かった。歩き遍路も目立った。

長い石段のお寺もある。各々寺の平均で約 300 段の石段を装備込みで約 90 ㎏の体重で登り下りする勘定になる。石段を一歩一歩踏み締めて登りながら考えた。自分の力で石段を登り下りできる間は“現役”が続けられるが、登り下りが難しくなった時は、現役を引退する時になると思った。

ちなみに、私の職業は自由業のため定年退職はない。体力・気力・精神力等が続く限り、現役は続けられる。現役で仕事の一線が続けられなくなれば、次世代にバトンタッチすることになる。現役は退いても口は出せるしお客様の信用もあるから、当分の間は本業を辞めることはないであろう。しっかりやりますから。

お遍路を続けると遍路症候群というビョーキになるようだ。時間を見つけて、あるいは、時間を作って遍路の旅に出る。お寺には「金堂」と「大師堂」が必ずある。それぞれの前で「般若心経」を唱える。だから、 16 の寺を訪れたとすれば、少なくとも 32 回は般若心経を唱えたことになる。

お遍路の良いところは、信仰心を高めることは勿論だが、春・夏・秋・冬とそれぞれの自然の環境があり、お寺さんの庭園の花も四季それぞれ変化がある。

行き先々で、色々な物に出会えるのも楽しみだ。全域的にいえることは、空海(弘法大師)の修行の場だとか、大師の伝説が多くある。室戸岬を回っていると室戸ジオ ( 地球 ) パークとして指定され、一億年前からの地層が見えるところがある。人生 100 年など全地球的視野から見れば知れたものである。何をくよくよしているのかと地球は笑っているはずだろう。

また、宿での食事が楽しみ。今は“かつお”の時期である。また、風呂(温泉ばかりではないが)も趣きがあってよろしい。お遍路の魅力を分析すれば、信仰心だけでなく四季の変化に富む自然環境や各地の食事その他各地域の家並みなどいいところも多い。これらが相乗効果をして、遍路の旅を楽しいものにしてくれているといえるのだろう。忘れてならないのは、四国の人の「もてなし」の心である。

話は変るが、統計的に見れば、人が死亡交通事故に会うのは、1万年に 1 回の割合いだそうだ。 1 億数千万人の人口で、年間発生死亡率を割り出せばそういうことになるのだろうが、私は、岡山市の中心部で交通量の非常に多いところを自転車で通勤している身としては、日々交通戦争中である。「信頼の原則」という理論があるのだが、信号を守ってクルマの運転を相互にやっていると信頼して、自分は運転していても、信号等を守らない者が多くて事故多発地点という場所がある。「止まれ」と地面に書いていても、無視して走るクルマが多い。私は、市内を自転車に乗って移動しているが、最近は事故が多いので神経質になっている。それが原因でストレスにつながっている面もある。ストレスが原因で、腰痛につながっているのかも知れない…。 最近の学説に、そんなのがあるらしいから。

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