馬場 勉のコラム
『自今生涯』
「目に青葉」のよい時候になりました
連休に私用で広島県の帝釈峡の近くに行くことになり、中国縦貫自動車道を走った。山桜がまだ多く見られた。この時期は、場所により色々な花、例えば、ツツジ・ヤマブキ・藤や桜などが混在して咲いているため、桜は終わったと一概にはいえない。
玉造温泉に宿が取れて泊まった。庭に植わっている“もみじ”に一瞬目を疑った。なんと赤く紅葉しているではないか!宿の人に尋ねてみたところ、春と秋に紅葉するらしく夏は緑の葉になる。冬場は落葉するらしい。突然変異で珍しい品種になったのだろう。私たちは常識で判断しがちだが、どんな世界にも変わり者がいる、ということを許容しなければ、角がたち生きるのが窮屈になる。
玉造温泉には、多くの温泉宿が軒を並べているが、たまたまだろうけど私の泊まった「白石屋」というホテルは非常におもてなしの心構えができていた。玉造温泉郷が全体で、おもてなしを盛り上げているのだろうと善意に解釈した。が、島根県も、立派な観光パンフレットの本格的なものを作っていた。とにかく、観光に力を入れている意気込みを感じた。岡山はどうなのか?とふと心配になった。島根に来た以上は、出雲大社にお参りするのがよかろうと思って訪ねた。約 60 年に一度の「平成の大遷宮」の時期と重なり参拝者で賑わっていた。“御縁”を結んでくださる神様ということもあるが、いろいろな御縁の祈願をかなえて下さるとのこと。お参りしてからの帰路は、高速道と地道を利用した。時には、通常使っていない道を走ってみることも大切であると考えた。私のような土地を鑑定する者にとっては、地域の変遷を視ることが大切なことだからだ。
最近とくに、昭和時代が遠のいていくことを実感している。「釣りバカ日誌」のスーさん役をした三国連太郎さん、バタやんの愛称でオースとステージで元気に挨拶して人気のあった歌手の田端義夫さん、また、ウクレレ漫談「あ~あ、やんなっちゃった」と社会風刺をした牧伸二さんが昨日亡くなった。私が歳を取ったのか、懐かしい芸人や歌手が亡くなっていく。新しい人の時代に変わっているのだろうけど、最近の人はよく分からなくなった。昨今ブレークしているのが「綾小路きみまろ」という毒舌漫談で爆笑させてくれている人。この人は桁外れの芸人だ。
子供相手のゲーム機が売れているらしいが、中高年層を対象にした、年寄りを遊ばせるものが少ない。ファッションとかゲーム機など夢中になって、綺麗に着飾ったり遊べるものがほしい。時間がありお金を持っている高齢者をターゲットにした商品開発をすることが、景気を良くするための必須条件ではないかと思う。子供や若い層にのみ目が向きすぎていると思いますが、どうでしょうか?
時間とお金のある人に、興味を沸かせてお金を使用させることが、アベノミクスに必要となる 4 本目の矢であると思いますがね…。