馬場 勉のコラム
『自今生涯』
もうすぐ春ですね!
2 月は今日で終わりです。明日から弥生(やよい)三月。寒い寒いと云うのも、もう少しです。瀬戸内海沿岸地方では、雪はめったに降らず小雪が舞うぐらいですが、北海道や青森県では、今年は記憶にないぐらいの大雪。雪の処理に困っているのです。雪の捨て場が満杯になりどうなるか心配ということです。雪は溶ければただの水になるだけ。厄介この上なく無益の代表のようなものといえる。処分費だって、バカになりません。公共事業として捉える人達にとっては、仕事が発生するから良いのですが、一般人にはどうしょうもない自然との戦いということでしかありません。私は雪の経験が少ないのでよく理解できませんが、雪が必要以上に多いと無駄な自然の産物と思われるのがオチでしょう。
京の冬の旅の第 2 弾の物語です。 2 月 23 日に個人的に聖護院(しょうごいん)の特別公開を拝観するために行った。聖護院は山伏(やまぶし)の総本山です。修験道(しゅげんどう)を究めているお寺さんです。聖護院の山内に準提堂があり、一年に一度の五大力さんと呼ばれている行事に、たまたま出くわしました。山伏の姿を見れば、力を貰うような気持になれましたから、不思議なものです。
聖護院は門跡(もんぜき、すなわち、天皇系の人が住職を務める位の高いお寺)寺院で、重要文化財をはじめ沢山の宝物を保管保存している寺院。一般公開の時しか拝覧できないのでしっかり目に焼き付けてきました。 12 年ぶりの一般公開です。法螺貝(ほらがい)を自由に試し吹きができるため、私は法螺貝を吹いてみました。しかし、音が出ません。そう簡単に素人が吹ける代物ではないでしょう。
密教(みっきょう)との結びつきが深いから、密教すなわち真言宗や天台宗などが山岳仏教(山伏すなわち修験道)と融合している場合が多いように思われます。
相棒と一緒に定期観光バスで、京の食文化を中心とした旅の行程を回った。珍しい京文化を彷彿とさせる食に接し京の冬の生活事情が多少なりともわかったような気持になったが、たぶんそのうち私の記憶から忘れるでしょう。ただ、京の冬の旅で回ったという記憶だけは、旅の内容を忘れても長く思い出すこととなるでしょう。
今迄は、京都にある伏見稲荷大社へは人並みにお参りして帰っていたのだが、奥の院があることを知った。奥の院へは片道 1 時間以上が掛かる為、少なくとも往復 2 時間以上は必要となるが、お参りしてみることにした。私は、常に、神社やお寺をお参りするときには一期一会の気持で行くことにしている。また来ることができる可能性はあっても、そうならない蓋然性も高いからだ。とにかく、長い階段を一歩ずつ登っていった。奥の院を目指す人が、沢山いることは意外だった。奥の院で祈祷してもらって清々しい気持で下山した。
京の自然環境と一体となって信仰できる体験も、結構いい経験になるものだと思えた。