馬場 勉のコラム
『自今生涯』
人生、下り坂最高
梅雨明けが間近。梅雨末期の豪雨がありそうだ。梅雨が明けないことには天気が安定せず、旅の予定も立てづらい。
旅で思い出したが、 NHK の BS プレミアムで「こころ旅」という俳優の火野正平さんが旅人になって自転車で全国を回っている番組がある。視聴者からの思い出のお手紙を頂きそれをふまえて火野正平さん一行がチャリンコ(自転車)で思い出の場所を探して旅をするという旅番組だが結構人気がある。何故人気があるのかと思うのだが、非日常性と出たとこ勝負のストーリーのない出会いが魅力だ。また、知らない土地を低い目線で見聞できる楽しみがある。日本国中を回っている。長寿番組の部類に入るだろう。部分的には、電車やバスで輪行する場合もあるから、全部が自転車旅ではないが、車中の一般人とのやり取りも面白い。とにかく、目線が低く周囲が良く見えるし、旅道中でのハプニングがなんとも言えない魅力になっている。 1 日 3 回の放送や土・日には 1 時間( 59 分)もので流しているから、結構見ている人は多く視聴率の高い番組といえる。私も途中からだが、楽しみに必ず見るようにしている。最近の旅では、青森県に美人が多いのだなぁと勝手に思ったりしている。ただ今は、北海道を回っている最中で、私が行くことのできない場所へ連れて行ってくれて色々見聞が広がっているから楽しみにしている。
チャリンコだから登り坂の道はきつい。ハァーハァーいいながら登っているが、峠を越して下りに入るとラクチンだ。故に、本人曰く「人生、下り坂最高」という名(迷)言をはくようになった。
誰しも人生は上りあれば下りもある。しんどいと思うときもそれが過ぎると結構楽にもなる。苦あれば楽ありということである。だから、人生はさほど悲観することもない。何があろうとも辛抱だ。良い時もあれば、悪い時もある。我慢が大切だと思えば、これほど楽しいことはないのではないか。オリンピックで金メダルを取るために涙ぐましい努力を黙々としているアスリートもいる。金メダルが取れれば嬉しさもひとしお。人によってはメダルが取れたことにより一生が保障されている場合もある。例えば、国会議員になるなど多く見うけるのも事実である。アスリートになるのも大変だが、とにかく頑張ってもらいたい。 4 年に一度のロンドンオリンピックも秒読みの段階に入った。上り坂の最中であっても、そのうち下り坂最高といえるようになると思う。
忘却とは忘れ去ることなり…。と、「君の名は」の中での台詞であるが、私は、最近物忘れがあってどうしても思い出せずイライラしたことがあった。考えようによっては、忘れるから人は生きてゆけるのだと前向きに思うようになった。楽しい思い出や苦しい思い出など色々だが、すべて記憶していたらやっておれないだろう。適当に忘れているから人生が楽しくなるのではないかと思う。
物忘れすることは、大変結構なことだと考えるようになった。忘れ去ることがなかったら、頭の中がパンクして前に進めなくなるだろう。よくしたものである。というのは、適当に覚えて、忘れて新陳代謝されているからいいのだ。私のメモリーの中がいっぱいになったから、昔のどうでもよいことや、いやなことは頭のメモリーカードから消却しようと思う。そうしないと新しいものが入る余地が無くなるからだ。
それにしても、女性は昔のことをよく覚えているものだ。あの時こう言ったと事細かに再現して見せてくれる。男性の方はすでに忘れていてそういうことがあったかどうか定かでないが…。特に女性は恨みつらみを持つときは、一言一句覚えているものだと感心したら間違いないだろう。恐ろしき者汝の名は女性ということもできる。小沢一郎さんが、妻から事細かに手紙に書かれた。それが、週刊誌に載っているが、私は人の事はめんどくさいから読む気にもならないが、一度歯車が狂いだすと男女関係はそういうものらしい。過去にも宇野さんという総理大臣が、総理のイスから転がり落ちたから怖いものである。気を付けることにこしたことはないが、そんなことに気をとめていたら世の中渡っていけないから、どうぞご勝手にして下さいということが良いかも知れません。男性諸氏はお互い身のためにガードする必要がありそうです。