馬場 勉のコラム
『自今生涯』
時の経過は、人を変える
長い間会っていない人に、久しぶりに顔を合わせたら身体的容貌や顔が随分変わっていたため、すぐにかつての知人と判断することが難しいときが、往々にしてある。
先日、地下鉄サリン事件で特別手配されていた元オウム真理教信者菊地直子容疑者が逮捕された。手配写真とは、似ても似つかぬため別人と思われても仕方がない状況だったようだ。
逃亡 17 年の歳月は、人相や容姿を変えた。普通の人でも長年の間に変わるものだが、菊地容疑者の場合は、警察に常に追われていた。いつ逮捕されるかという気の休まることがない極限状態が長年続いていたのだから、容姿や顔立ちが変わるのも当然だろう。変わらないものとしては、指紋や声紋さらに身体的特徴(目の下のホクロ)などであろう。歳月は人の変化をもたらす。
昨年から今年にかけての年越しに、同じく特別手配されていた平田信容疑者が自ら出頭したが、その時も別人と思われた。特別手配された写真が頭の中にインプットされているため、現実の顔とが結びつかずミスマッチするのだろう。
何れの逮捕劇においても、行動を共にした男女関係にある同居中の愛人がいたという現実である。相手が特別手配されている人であるということが分かっていても、いや分かっているからこそかくまった。それは「情」が湧いて結びつけたのであろう。私に、小説を書く才能があれば逃走を続ける特別手配人とともに行動しかくまっている男あるいは女の心情を分析・解明した小説を書いてみたいが、仮に書く能力あったとしても、男女関係の微妙な心の綾は十分に表現できないであろう。
特別手配されているオウム関係者はあと 1 人高橋克也容疑者のみとなった。捕まるのは時間の問題だろうが、これから裁判が待っているので、オウム関係の終結にはまだまだ長い時間がかかりそうだ。菊地直子容疑者を始め優秀な学生などの若者を、何が彼らをそうさせかつ人生を狂わせたのか、そこが知りたい。
話は変るが、最近の報道に、「健康寿命」というのがあった。その命題は、 2,000 年に世界保健機関(WHO)が打ち出した概念。厚生労働省が始めて算出して先日、厚生科学審議会の部会に示したとのこと。
それによると「健康寿命」とは、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間をいう。 2010 年は、全国平均で男性 70.42 歳、女性 73.62 歳とのこと。平均寿命は、男性 79.55 歳、女性 86.30 歳であるから、その両者の差の期間がいわば介護や入院などに費やされることになる。岡山県の健康寿命は、男性 69.66 歳、女性 73.48 歳となっていて全国平均を下回っている。私は、お蔭で岡山県の平均的な健康寿命を超えたことになった。
個人差があるから一概には言えないが、私の周辺に限れば、元気で一線で活躍している人が多い。何はさて置き健康であることが一番大切である。私は、今のところお蔭で健康に長生きすることができそうだ。元気にスポーツジムにガンバッテ通うことにしよう。