馬場 勉のコラム
『自今生涯』
第6回
フィギアスケートは、阿波踊りを手本に
2010年03月05日
『手を上げて足を運べば』阿波踊り。と、云われるように手と足だけで最高の表現をするのが、かの有名な『阿波踊り』である。一度見れば魅力の虜になって病みつきになる。
素人と玄人の差は、単純な踊りだけに歴然と出る。玄人は、手の繊細な動きや足の運びなど随所に心配りがある。フィギアスケートや日本舞踊など手足の動きによって表現することが重要なファクターを形成しているところのスポーツや踊り等に共通して当てはまる要素である。だから、単純な踊りのなかにこそ基本的動作に全神経を集中して取りくむことが大切である。基礎と演技力のせめぎあいのこつを掴むことが重要だろう。バンクーバーの冬季オリンピックをみた結果の素直な感想である。
岡山県倉敷出身の高橋選手の男子フィギアは表現力が抜群に優れていた。ジャンプや回転などは重要なファクターとして評価されるものの、やはり見るものを魅了する優美さや身のこなしのなかに、手の先の隅々までが、洗練されていることが重要な評価の対象になることは疑いがない。