馬場 勉のコラム
『自今生涯』
春爛漫
今年の冬は、寒かったせいか桜の満開もずれ込んだが、春を忘れることなくただいま満開中。草木が春を待ち焦がれていたように、一気に花を咲かせ百花斉放の趣がある。時期的にずれ込んだ草花が見られる珍現象も表れている。おやっと思ったのは、ツバキや水仙などが咲いていることに驚き、また、心がときめいたことだった。
桜満開の中、讃岐路を走った。お遍路の 88 ヵ所霊場を回る旅だ。気候も良くなったためか、参拝者も多く、歩き遍路の姿も目立った。
今は亡き母と桜満開の中をお遍路したことが、頭をよぎった。月日の経つのは早いものだと、つくづく感じた。
新聞等によれば、看護師や介護従事者の数や勤務実態をゴマカして 50 億円の不正報酬を得たという介護施設があった。介護従事者や看護師の数を操作するだけで、そんな大金になるとは驚き以外のなんでもなく、なんともいう言葉がない。
古来から、性善説と性悪説という考えがある。人間は生れたときから、善なのか悪なのか、というような意味合の論争のようだが、人数などをチョロマカシて 50 億円とは、なんともにわかには理解しにくい。介護費用等は、査定が非常に甘いという印象を受ける。最初はこわごわごまかしたら、うまくいったので段々と大胆になってしまったのだろう。行政の厳しい監視が必要である。しっかりやって欲しいものだ。やはり、性悪説の立場から、人間は生まれながらにして、悪いことをするのだと考える必要がありそうだから...。
話のついでだが、私の事務所があるビルの同じ階に 4 月より、岡山市の保健福祉局に所属する『事業者指導課』という部署が事務所を開いた。介護保険法という法律に基づいて、岡山県から指定都市の岡山市へ事務が移譲された。岡山市役所の本庁には、事務所スペースが無い為、市役所に近い弊社が入居しているビルに新設されたということのようである。
事業者指導課は、まさに介護施設の諸々の事案を指導するのが主な仕事だろうから、 50 億円も騙し取る事業者がいないかしっかり監視し、監督してほしいものだ。
実際に報酬代金を支払うのは、別のところかも知れないが、いずれにせよ、つながりのある部署であるだろうから連携を密にして不正をさせないように期待する。
お蔭で、ビルに入居している人数が多くなり、夜遅くまで仕事をされるので賑やかになって活気が出てきた。人の出入が多くなることは、弊社の仕事には直接関係が無くても大いに結構なことで、元気が出るものである。やっぱり、人が多いということはよろしい。出て行くのは淋しいが入るのは嬉しいものだ。
先日は、爆弾低気圧(春の嵐)が日本列島を通過して被害をもたらした。夜は、花冷えする為、冬物がいまだ必要というところ。そうこうするうちに、桜も終りを告げるだろう。すでに新学期が始まり、新入生達が学校に入学して賑やかになった今日この頃です。