馬場 勉のコラム
『自今生涯』
閏年(うるうどし)
今年の 2 月は 29 日まである。なんだか、 1 日得をしたような気持になる。俗にいう「閏年(うるうどし)」である。オリンピックの年。今年はロンドンオリンピックが行われ、予選会など盛りだくさんに開催されている。国の代表として、参加できるかどうかで本人以上にファンは、ワクワクドキドキしながら見守っている。近いうちに、各種出場選手の名前が決定発表される運びになるであろう。オリンピックは参加することに意義があるとも言われるが、やはり出場する以上は金メダルを取ってほしいと思うのが人情だし、本人も長年苦難に耐え、色々の面で犠牲を強いられてガンバッタのだから勝たせてやりたい。しかし、世界は広い。世の中には、メチャクチャに強い者がいるのも事実だから、気を緩めることはできないだろう。
昨今は世の中全体が、暗いニュースに覆われている。明るい希望に燃えるような話が少ないなかで、湯郷ベルの宮間選手が、なでしこジャパンの主将(キャプテン)になったという報道に、やはり私が思っていた通りになったと嬉しく拍手をしたところだ。私は、男子サッカーより女子サッカーの方が好きだ。というのは、どちらかといえば小柄な選手が多く、ひたむきに一生懸命ガンバッテいる姿に感銘を受けるからであり、何とかオリンピックで金メダルを取ってほしいと願っている。
ところで、岡山の林原の会社更生もいい方向で解決をみた。めでたしめでたしというところだ。ただ、考えるに林原の問題は結局のところ何だったのか?世間を賑やかし大変な話題になったけど、誰が損をして誰が得をしたのか。 93 %近い債務返還率だから、ほとんどの金融機関は僅かな損失でキズは少なかった。
金融機関は、長年にわたって金利を受け取っていたのだから、相殺すれば損をしたということにはならないのではないか。むしろ得をしているともいえる。林原さん個人は、責任は重いが十分賠償をさせられ裸になったのだからもう勘弁しても良いでしょう。過去において良い思いもしたのだから止むを得ないといえるでしょうが…。従業員は、原則再雇用されている。だから、一蓮托生で贅沢はいえない。
以上のように考えれば、誰しも大損をしたというほどのこともないようで、皆さんひとまずメデタシメデタシということになる。得をしたのは問題解決に尽力したところの弁護士をはじめとする事業再生を目的とする再建請負集団だったのではないか。
色々な問題が生じた場合に、解決することを職業とする人達。したがって、人の不幸やいわゆる倒産などの仕事が生ずればゴチそうにありつけるという債務清算整理業者であるから、結果的に漁夫の利を得たことになる。問題解決には大変な作業と手間ひまのかかる仕事であるが、仕事と思えば、あくまで他人事の債務処理を解決するのが目標であるから、お金になれば何でもできるということ。自分のことであれば、とてもではないが正常な精神状態ではできないだろうが…。