馬場 勉コラム
『自今生涯』

第89回

バブル期の後遺症に悩む。

先日の 19 日(日)に、瀬戸内海の笠岡諸島をクルージング(観光)する機会があった。天候に恵まれ、眺望は良く海からも陸からも、瀬戸内海周辺の景色が堪能できた。

笠岡市役所の職員が、案内役を務め懇切丁寧に先導役をかってくれてありがたかった。大飛島(おおびしま)に立ち寄り椿油搾りを拝見。遣唐使と関わりがあり国の重要文化財を多数出土した「大飛島洲の南」遺跡で昔の人々の暮らしぶりを想像した。海運業を営む人が多く立派な家が目立った。また、六島(むしま)は水仙の名所として売り出し中。岡山県最南端の燈台もあり漁港の雰囲気が漂っていた。瀬戸大橋の下をクルージングもしたから、結構楽しい時間を過ごした。外出してのんびり山野を歩き回ったのは、久しぶりだった。

 

さて、バブルが弾けて 20 年以上経ち、すでに過去のものと思っていたが、いまだバブルのツケに苦しんでいる会社が存在している。かの有名な企業であるオリンパスがそれである。先日オリンパスの前社長らが逮捕された。なんとも割り切れない気持になった。決して自己の私腹を肥やす為ではなく、会社を舞台にして会社に利益をという目的だったのが主たる行動指針だったはずだ。だから、良いことと思って隠密に動いたのであろうが、バブルの投資に失敗した結果、損金が 1,000 億円にも膨らんだようだ。その損金を隠し通し、色々な方策で償却してきたのだが、ついに表に出て責任を問われることになった、という筋書きである。いまだ、 1990 年代のバブルに日本中が踊った世相の後始末で、悩んでいる人が多く居るということに驚くと共に高いツケを背負ったものである。

オリンパスの粉飾決算は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などの疑いを持たれて、旧経営陣 3 人、投資関連会社の指南役 4 人が逮捕され、家宅捜索もされた。気の重い事案ではあるが、日本の証券市場に深刻な不信を招いたことは、取り返しのつかない罪深い行為であった。今後どうなるかは、これからの進展を見守っていくしかないが、いまだに後遺症に悩んでいる日本経済を垣間見た気がする。

先日、西大寺「会陽」も無事終了した。備前平野にも春の訪れが間近かである。あと少しの辛抱というところだ。

とにかく、働けるだけでもありがたいと思って、日々ガンバルことが大切だろう。私の周りにも生活苦等で悩んでいる人がいることを考えれば…。

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