馬場 勉のコラム
『自今生涯』
男と女
「 1 月は行く」といわれている。 1 月は明日で終わる。正月から 1 ヵ月経ったが、長いようで短い日時だった。寒い日が続いている。先日は、岡山市内でも雪が舞ったが積るまでにはいたらなかった。北陸や山陰方面の日本海沿いは、例年にない大雪で大変な模様だが、幸いに岡山市内(山陽地方)は天候の良い土地柄。年間で最も寒い頃だが、もう少しの辛抱が必要だろう。
興味深い話をしましょう。週刊新潮に作家の渡辺淳一先生が「あとの祭り」という連載をしている。男と女の生理や心理を見抜く力は抜群である。先生は 1933 年生れだから 78 才を越えている。だから、人生の甘いも辛いも体験済みである。なるほどと納得できる話が多い。
最近の題名は「男と女、強さの違い」「弱きもの、汝の名は…」となっている。コラムの内容を要約すれば、男より女の方が断然強いということである。私も多少の経験から考察するに、確かに女性は強いと思うことが多い。だから、渡辺先生の考えに同感する者の一人である。
その理由は、体力や肉体的構造からすれば男の方が腕力があって外見上は強く見えるが、精神や心理面などでは女性の方が強いということである。
女性は、
①他人や周囲を見る目が厳しいため、冷たくなる。 従って、女性の方が世間や人間関係をよく見抜いているケースも少なくない。
②男性の感性や判断力は、常識論である。それに反して、女性は好き嫌いを基にした感情論であることが多い。
③感情論に馴染みやすいうえに、照れずに堂々と主張できる独断性がある。
以上のような面から、男性の常識や合理性だけを中心に小説やドラマを表現しても面白くも可笑しくも無い。
それに反して、思いがけない非日常性や感情論が表に浮き彫りされて様々な人が引きづり回されたり、戸惑うほうがはるかに面白い。だから、男より女性中心の生き様が小説などの主流を占めるようになる。
別の側面から考察すると、
①長生きする生き物が、生物学的には強い。
人間における男女の寿命の差は、男の平均寿命は 79 才だが、女の寿命は 86 才でその差は7 才あり、男が早死にする。
②精神力でも、男の方が弱いに違いない。
③男の考え方は合理的で常識的であるが、女性は非論理的で独善的なのである。
これらの諸条件を、好むと好まざるとにかかわらず、自然に身につけているのが女性である。
以上のように見てくると、男性(特に高齢男性)は女性(主に妻)にあまり逆らわず、素直にうなずいておく方が無難であるということになる。
作家渡辺淳一先生の、コラムに書かれている話の論点を、私なりにまとめたのですが、女性に腹が立ってもあまり怒らず逆らわず、そうだ、そうだと素直にうなずいて従っている方が身のためだということになる。一般論としては、そういうことになるだろうが、人のいい物分りの良い男性と見られて、なめられるのもシャクだから、状況次第では厳しい態度で臨むことも必要だろうと思うけど…。
さらに付け加えれば、本当の意味での男と女の生理の原点は、女の素晴らしき鈍感さに対して男のか弱き敏感さの差異にあるという相対的な相違にことの本質があるということらしい。
なお、直々に知りたい方は、週刊新潮をお読み下さい。当分の間男と女のシリーズは続くようですから、興味を持って読書されたらよろしいようで…。