馬場 勉のコラム
『自今生涯』
強烈な支援と努力の賜
8月は終わった。少しの間コラムを書くのをサボっていた。野田氏が第 95 代内閣総理大臣に指名され組閣する。いい政治が行われることを希望し、かつ期待したい。
なでしこジャパンのメンバーが、美作市の湯郷でオリンピック出場権を確保するための練習合宿を行った。 8 月 22 日から 8 月 27 日まで実施した。ギャラリーが、通算 3 万 人以上に達したらしい。すごい数である。
湯郷温泉をはじめ地元に恩返しができた。美作市の人達は、長年にわたり湯郷ベルのために陰になり陽になり支援し支えてきた。そのために大変な物心ともに強烈な努力を惜しまなかった。“まちづくり”のあり姿を見た思いがする。見返りを期待せず地道に支えた努力の結果がなでしこジャパンに 2 人の選手を送り出すことにつながった。
なでしこジャパンのブームのお陰で大勢の人が押しかけ応援してくれた。湯郷温泉は満室状態になるなど地元への経済的効果は大きく多少なりとも恩返しができた。オリンピックで優勝ができればなおさらである。
宮間選手など、子供たちへサッカーをわかりやすく上手に教えている。てれずに平常心で素直に教えているところがよい。
岡山市ではJ 2 のファジアーノが頑張っている。こちらは、「株式会社」組織でかなり金銭的には潤沢なようである。それは、地元民をはじめとするサポートしている企業や市民などからの献金等が多いからである。
にもかかわらず、子供にサッカーを教えてほしいとある会合で母親が頼んだところ、社長が我々は興業としてやっているのだから、子供へのサッカー教室は積極的にはできない主旨の話をしたことがあった。
たしかに、自分達のことだけで頭の中がいっぱいで子供のためのサッカー教室まで手が回らないというのも一理ある。そうであれば、株式会社の運営としてあくまで興業であるから、お金集めのため企業や一般人に金銭的要求をしないにこしたことはない。自分たちの好プレーで見せ場を作ってサポーターを増やし、自らの力のみで経営すればよいのである。
にもかかわらず、寄付金などの支援の協力をお願いしているのは納得がいかない。このような考えでは、ファジアーノは思うように勝進みJ 1 に昇格するのはかなり難しいと思う。蓋し、皆さんに愛されないからである。
ファンは、いいプレーを期待しているのだから、技術向上に努めるべきである。株式会社組織にして金儲けを目的に興業としてプレーを見せものと考えている以上あくまで自前でやっていくことだ。サポーターに金銭的援助を求めるべきではないだろう。
湯郷ベルの地道な社会貢献活動を参考にすべきである。サーカスやお笑いの吉本(よしもと)など興業を売り物にしているところは、寄付金集めに走ってはいない。あくまで、自分達の力で稼ぎ運営しているのである。