馬場 勉のコラム
『自今生涯』
信用できない政府の罪は、重い
事務所の近くに大規模な銭湯ができたので、珍しさとどんな内容のものかと興味津津な気持で行ってみた。
天然温泉を使用しているとの触れ込み。昔の銭湯を大規模にしたような風呂屋で結構混んでいた。
一昔前までは、自宅や下宿などに、風呂がない家が多かったから、町の銭湯に通ったものだった。私の学生の頃は、銭湯に行くのはあたりまえで、風呂付の下宿などなかった。別段不満もなかったしなんの疑問も生じなかった。
しかし、だんだん世の中贅沢になり風呂とトイレが付いたマンションとかコーポやアパートがあたりまえとなった。
しかし、世の中は面白いもので自宅等に立派な風呂がありながら、銭湯に行く時代。物珍しさや非日常性を求めているようだ。こうなれば風呂に行くというより、時間つぶしの娯楽施設としての利用である。世の中は生活態度が変わってきているのである。時代は変わりつつ、昔の生活に後戻りしているともいえる。
話は変るが、随分と国民はなめられたものだ。国民がパニックを起こすだろうから、福島原発のメルトダウン(炉心熔融)について地震と津波が襲来後、直ちにその事実を政府は認識していたにもかかわらず、たいした事はないと言い続けてきた。2ヵ月以上経過した今になってようやく地震直後から制御不能に陥っていたと公表した。建屋が吹っ飛んだ水素爆発の現状を見聞すれば、国民は相当のダメージが起こっていると思ったのが当然であった。
にもかかわらず、隠し続けてきたのは悪質だし、政府のいうことは、数値をはじめ全て嘘ではないかと不信を持たれるため、信用されなくなる。小出しに、かつ、後出しするのは国民をなめているとしか思えない。原発に関する限り情報公開するのが大前提なのだ。本当のことを知っているのは米軍と自衛隊だと思って間違いないし、週刊誌には原発に限れば本当に近い話が書かれているので、誇張な記事だとばかりとは言いきれない。
国民からも特に外国から日本が信用されないことになった。政府の責任は非常に重く、取り返しがつかない。いろいろ、言い分けし、責任を取らないように言葉を選んで言いくるめる話し方は不愉快だし、もういい加減にしてほしいと思うのは私一人だけではないだろう。信用できない政府は、見放され支持率は低下する。政権交代が叫ばれるようになるはずだ。