馬場 勉コラム
『自今生涯』

第58回

さわやかな自然を満喫

新緑の候。目に青葉、山ホトトギス、初ガツオと称される初夏のゴールデンウィークは、いかがお過ごしでしたか? 4 月 28 日から 5 月 8 日までの長丁場の時期でした。

私は、趣味になっている四国遍路の旅にでていました。徳島県と香川県を走りましたが 16 の寺を巡りました。

お遍路さんで良いことの一つは、四季折々の自然を愛でられることです。特に新緑の頃は、一斉に草花が咲き乱れ、目の保養にはよろしい。また、標高の高いところにあるお寺さんもあり人里離れた山野を分け入り、見晴らしの良い高台からは春と夏が同時に進行する姿を見ることができます。

藤の花がきれいに山に点在するかたわらまだ八重桜がたわわに咲いていました。草花であれば、サギソウやツツジ、ボタンなど高地や平地でそれぞれの美しさを誇示して咲き誇っています。

こういう自然の中を心地よい風に吹かれながら、ドライブの旅をするのも最高です。至福の贅沢な世界です。

ホトトギスの鳴き声が聞こえるお寺さんもありました。初ガツオは夕食にも入っていたから、初夏を代表するものは全て満喫できたように思われます。

ところで、おまえは、肝心の信仰はどうなんだと問われるかもしれませんが、外観によらず信仰心はあります。私は、一般的なお遍路さんをイメージされるような白装束で完全装備はしませんが、最低限の備えだけはしています。略式ですが、般若心経(はんにゃしんぎょう)は唱えるようにしています。

最初の頃は恥ずかしさがありましたが、お参りする人は皆さん同じ目的ですから作法に従って読経するのがあたりまえです。だんだん慣れてくれば、堂に入ってくるものです。大きな声がでるように不思議となってきます。お遍路さんは癖になりますから、当分の間休んでいるとまた遍路に出たくなります。

考えてみれば、信仰心のみでなく四季折々の自然を堪能できるからアウトドアの楽しみもあります。食べ物や見ず知らずの人との会話、旅には非日常的な面もありますから、何か新しい発見が常にあります。それが醍醐味かもしれません。ただ、時間と多少のお金はかかりますし、周りの協力や、何はさておき発心(ほっしん)の意気込みが必要です。

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