馬場 勉コラム
『自今生涯』

第56回

造るも取り壊すにもお金がかかる時代

建物(物置)を取り壊して、駐車場に転用することにした。築後 40 年程経過していたが、取り壊すのがもったいないような立派な状態?だった。

一昔前は、取り壊して材木や一般ゴミなど色々なものをゴッタにして処分してもよかったのだが、最近は分別が必要だ。法律で区分することが義務付けられているらしい。機械(ユンボ)を器用にあつかって、木材と石材などを区別して処理する手際良さに驚いた。

新築するにも金がかかるが、取り壊し処分するにもお金のかかる時代である。

私の経験したことでは、新聞、雑誌、書類などを大量に整理して処分場に持って行ったことがある。お金を支払って引き取ってもらう。焼却処分のために受益者負担という考えでお金を支払うということである。

本やパンフレットなど作成するにはそれなりにお金がかかるが、余った場合に処分するのにも費用がかかる時代である。だから、作成するには応分の量をみはからって作成するなど将来への見込みが必要となる。

日本食は食べきれない程は出さないが、中国における中華料理では、大量に品数も多く食事として提供されるので、いつも食べきれず残している。もったいないことだと思うがどうも中国文化では、余る程に出すのが良いことになっているのではないかとさえ思うぐらいである。どうも私の乏しい知識ではそう思えて仕方がない。少なくとも中国を旅行した経験では、そういうように考えられる。中国のように 13 億の民が食する量は、大変な食材の量である。中国式の有り余る程の食事量は、これからの時代にはそぐわずどうかと思う。本当のところ、勿体ないと思うが如何でしょうか。

日本でもホテルの立食パーティなどでは、美味い食べ物が残っているのを常とするから、他国のことをとやかくいえる立場ではないでしょうが…。

話がそれたがいずれにせよ、造ればよい時代は終わり、壊すにはそれなりのコスト(費用)がかかるということだから、何事をするにも中庸の精神で程々に対処することを心がけなければならない時代がやってきている。材料や資材等を大切にして資源の枯渇を防ぐようにしょうではないですか。反省しきりです。

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