馬場 勉のコラム
『自今生涯』
陰徳あれば必ず陽報あり
昨年の夏は、酷暑であった。その反動か、昨年から今年にかけての冬場は寒かった。気象の山と谷の高低差が大きい感がする。例年ならば、今頃は近所の川(用水路)沿いの桜は満開になっているのだが、まだ所々咲いている程度で、今春は遅い桜の開花の観がする。暖かになれば加速度的に開花するであろうが、今年は、例年より遅いようだ。自然は気まぐれで定期的にはゆかないところが、自然の自然たる由縁である。
岡山人の私にとっては、平成 7 年の阪神淡路大地震に比べれば、被害の甚大さは比べものにならない程大きい今回の東日本大震災だが、遠いこともあって身近には感じられない。阪神淡路大地震のときは、岡山と近い地理的な面と身近な親族や知人がいたから、本気で色々支援を考えたものだがそれに比べれば、今回は遠いところの為どうにもできないもどかしさがある。義援金などで気持を表すことは、大切な選択肢の一つである。岡山人も 1 億円の大金を義援金として目立たない方法で募金に応じている方もいらっしゃる。
反面、わざわざ新聞記者に事前に連絡して手渡すところの写真を撮らせて、新聞に義援金を献金している瞬間を載せている人もいる。匿名が美徳とは言いきれないがパフォーマンスも程々にしていた方がよいのではと思うケースもある。
義援金を献金するのは基本的には“陰徳”だと思う。人知れず人徳を積む方がおかげがありそうです。「陰徳あれば必ず陽報あり」という格言があります。すなわち、人知れず善行を積んだものには、必ずよい報いがはっきりと目に見えて現れるという意味合を持っています。
わざわざ職を休んでボランティアに手弁当で積極的に参加している若者も多い。まんざら捨てたものでもない。多くの国民が宣伝効果が目的でなく純粋な気持から献金を行っていて本当の善意の義援金になっていると思います。わざわざ、新聞記者に新聞に掲載させる目的で多額の献金をしても反感を買う場合もありましょうから…。
それにしても、原発をはじめ家も家族も失った人などこれから将来のことを考えれば、うつ病の原因にもなるでしょう。死んでも浮かばれず、生きても地獄とは困ったことです。
とにかく元気になれるように、ガンバル以外にありません。