馬場 勉のコラム
『自今生涯』
「京の冬の旅」に学ぶ
休み明けの岡山市内は、朝から雪が降っている。雪が降らないうえに積ることも少ない地域だけに雪化粧は珍しい。
大雪、着雪の注意報が発令されているから、今夜は積る可能性が高い。昨今の天気予報は当る確率が高いため、かなり信頼できる状況である。少しの雪でも交通機関に影響が出るから心配だ。
今頃が年間で一番寒い時期でもある。寒いときはグンと寒くならないと春の暖かさが心にしみて感じられない。“冬来たりなば春遠からじ”ということわざに希望を託して…。
2 月 11 日(建国記念日)から昨日まで京都に行っていた。毎年のことだが、この時期は京都で「非公開文化財特別公開」を行っており“京の冬の旅”として観光客を集めている。冬の京都は寒く、夏の京都は暑いという印象が定着していてお客様が春と秋に比べて極端に少なくなるため、何とか観光客に来てもらおうと考えたのが始まりで、第 45 回目の恒例行事になるということは、 45 年前から始めているということだ。
観光資源の多い京都でさえ、そういう地道な努力を長い間惜しまず重ねてきているのだ。それでも、景気の動向やインターネットの普及で定期観光バスの乗客は減少している傾向にあるようなのだが、京都の全体の観光客数は多くなっているようだ。このことは、新しいホテルが増加していることからもうかがえる。
翻って、岡山はどんなになっているのだろうか?長期にわたるキャーンペーンはやっていない。また、一時的にやっても効果は薄い。人の往来が激しくなれば、お金が落ちる。だから、岡山経済は潤うはずだ。観光客の増加が見込めないなら、何らかのそれに代わる仕掛けがいると思う。例えば、大規模な集会ができるコンベンションホールを作るとかして、参加者を観光客に変身させるというような手口と手段が要請される。経済波及効果を狙って先行投資を惜しまないことが必要だろう。岡山市が緊縮財政を掲げて、あれもダメこれもダメだとばかりに新しいことはしないということでは、岡山市の発展は望めない。まず、先行投資して地域経済を活発にすれば、回りまわって地方税の増加につながり税金を回収できるはずだから、このように循環する図式の方策を考えてみようではないですか。政治、経済やまちづくり推進団体など、各方面の賢明なリーダー達の腕の見せ所です。私の大いなる期待に応えてほしいものです。