馬場 勉のコラム
『自今生涯』
世界の「林原」が飛躍するためガマンする時
高く飛びあがるためには、しゃがんで力をためる必要がある。ウサギ年の今年は兎の行動を観察すれば、跳躍するために一度冷静に姿勢を低くしてエネルギーを溜め込んで爆発的に飛び出していることがわかる。
素直に、株式会社林原さんの現状を見るとき、まさに今こそシャガミ込んで力を溜める時だと思う。ここで力をつけて、体力を強くすれば更なる飛躍が期待されるからだ。
長い取引関係にある企業の一般債権者は、ほとんどの企業が早く立ち直ることを期待し、債権回収にあわてず、冷静に取引を維持継続したいとしている。
金融機関約 30 社には厳しい結果になったが、屋台骨はしっかりしている金融機関だから、経営がおかしくなるところはないであろう。貸し倒れ引当金が、当面必要となることはやむおえないことだろうけど…。
世界の「林原」である。抗がん剤のインターフェロンや特筆すべきは、トレハロースを独占生産して市場に送り出している。また、誰もがやらなかった日本伝統文化のメセナやその他多くの社会貢献を行ってきた。その姿勢と実績は高く評価されている。
私は、日本だけでなく外国からもスポンサーになりたいと手を上げる人は、引く手にあまたで結構多いとにらんでいる。
国内外の企業には 1,500 ~2,000億円程度のお金にはびくりともしない企業も多いから、必ず好条件で手助けしたいというスポンサー企業は絶対現れると確信している。過去に会社更生法が適用された企業とは異質であって、同列には考えられない。
林原兄弟(健さんと靖さん)の生き様に賛同し惚れる人は多い。だから、そういう理念や理想に共鳴する世の中の金持の企業の中から、一肌脱ぎたいという経営者は必ず現れるだろう。「林原」という老舗の長い企業活動の中で、一度立ち止まって身の回りを見直し、再起を期す絶好のチャンスの時でもある。
困ったと思うより、長い間にはいろいろあるからこれを機に飛躍するぞと前向きに考えればよいのだ。社長業を 50 年も続けていればほころびも出るし、疲れも出る。ここらで一服とするのもよいだろう。
私は、陰ながら次の更なる飛躍を心から期待し、必ずできると信じている。まちがいない。
法的処理のため時間はかかるが、時間が薬だから、注意深く見守りたい。
岡山駅前の約 45,000 ㎡の広大な一等地にコンベンションホールを核とする岡山発展の拠点を造るべくスポンサー企業等との調整ができればよいと思う。これを好機ととらえて、必ず、そういう方向で進むように、岡山を引っ張るリーダーの立場の人は汗を流すときである。積極的に働きかけるべきで、評論家であってはならないと思う。