第166回(平成27年3月31日)

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父娘の骨肉の争い


  桜開花のよい時候になった。まだ寒い日はあるかと思うが、暖かくなるのは間違いないだろう。明日からは、新年度が始まる。心新たにしたいものだ。

 早咲きと遅咲きの桜があり、同じ木でも、枝が同じつぼみでも早かったり遅かったりする。同じ地域でも隣同士で、咲く時期が違う場合ももちろんある。やはり人間と同じだ。早熟の人(神童と言われても 20 歳すぎればタダの人)もいれば、遅くなかなか世の中に受け入れられず、芽が出なくても大器晩成型の人もあり、私は桜の満開を見ながら考えた。桜と人間は相通じるものだ。生きとし生ける者は、全て同じことが言えるかもしれないが・・・。だから、人間の一生は、おもしろいのだ。明日はどうなるかわからない面もあるからだ。

 他人の喧嘩は、大きい程、面白いといわれるが、ジャスダックに上場している「大塚家具」のお家騒動は興味深い点がある。会長は実父の大塚勝久氏、社長は実の娘の大塚久美子氏だったが、株主総会で久美子社長の方が株主の 61 %の支持を得て、大塚久美子社長の時代が続くことになった。久美子氏は、頭脳明晰で一橋大学を出て、当時としてはめずらしい一般職として銀行に入行した経緯を持つが、美人ながら、浮いた話も無く 40 歳を超えて独身でいる。普通の男では物足りないのか、男が敬遠するのかわからぬが。それにしても、父をはじめ、親族が合い打ちしてしまうなど、一般常識的には理解できそうにないが、世の中全体からみれば、そんなにめずらしいことではない。私がいる不動産鑑定士業界でも、父子がそれぞれに別れて、鑑定士として独立して別の人生を営むことも珍しくない。

 二人が力をあわせれば、三人分の力がでるだろうが、そういうわけにいかず、互いに個性が強くて金の問題等で相打ちするのであろう。内輪もめか?

 歴史的にみても、相続争いは珍しくなく、京都市内全土を焼け野原にした「応仁の乱」は、 11 年間にわたり東・西にわかれて喧嘩をした。足利幕府の跡目争いである。西陣の名の起こりでもある。

 日本の天皇制の中でも、南朝と北朝にわかれて約 60 年間余がともに併在した南北朝時代もあった。経済が発達した現在では、争いは無くなるかと思いきや、ますます相続跡目争いは激しさを増している。どんなに文明が発展しても、人の心は変わらず、争いが激しくなるのが現実なのだ。悲しいかな、人間の性である。時代は変わっても、人の心は変わらず益々複雑になっている。

 岡山では、たすきがけの人事で家系の争いを乗り越えている企業のよい例もあるが、全体からみれば希少な部類に属するだろう。いつまでも続くとは思えないが・・・。

 むしろ、他人の方が、身内の血で血を洗う争いよりは、いざとなればやめるか、クビにすればよく、解決はしやすいのかも知れない。同族企業の方が難しい面もある。ただ、下剋上を恐れて殺す場合もある。過去現在の問題でもある。

 大塚家具の親子バトルをみて、世の中には、どこでも大なり小なり、争いはあるものだと思った。親は子供を大切に育て、高学歴をつけてやっても、それがあだになる場合がある。人口増の政策に躍起になっている政府だが、数十年先は、どうなるかわからないものだ。どうでもいいことだが・・・。

 子供が親の面倒をみないため、独居老人が多い社会も問題だろう。何が欠けているのだろうか。よくわからぬが相続争いは確実に増加する傾向にある。子孫に美田を残すより、人生を楽しんで使い切るのも、一つの選択肢かもしれない。お金があれば、欲が出て相続もめになるからだ。いずれにせよ、大塚家具の親子バトルは、色々な思いをさせるものを惹起してくれた。現実の問題として、三代つづく 100 年以上続く企業は意外と少ない。大企業は別として。

 明日から 4 月、年々歳々、自然界は人間の心とは関係なく進み、人を待ってくれない。それが現実なのだ。ああ。

  

株式会社 馬場総合鑑定所

馬場 勉

 

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