第153回(平成26年5月30日)

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走り続ける先に道はひらける


 日経新聞の「私の履歴書」は、功なり名をとげた人が1ヵ月間にわたり、毎日自分史を掲載している名物記事だ。テレビにも「私の履歴書」という番組があり、先日ファッション界に君臨したモリ・ハナエさん( 88 歳)がファッション界で活躍した経緯が報道されていた。自叙伝を書いている人は波瀾万丈の人生を送ってきた人が多い。めげずにのり越えてきた。

 人生は、努力だけでなく運も必要だろうけど、人生に於いて数回はにっちもさっちもいかない五里霧中から、這い出して成功を収めた経緯がある。要するに、人より一歩先んずるということは、簡単なことでなく大変なことで、 1,000 歩の道は、誰しも 999 歩までに達成できるが、あと一歩が届かないのだ。その差が、人生の成功失敗を左右する。いわゆる天才と気違いは紙一重ということになる。モリ・ハナエさんの言葉の「走り続ける先に道はひらける」ということの深遠な意味に感動したところだ。

 先場所の夏場所では、白鵬が稀勢の里とたった 1 勝上まったことにより大相撲を制した。 1 勝の差が雲泥の差につながり、少なくとも 1 億円の大金の差になるであろう。また、優勝額が掛かることや名前が永久に残る。何事も、愚痴を言う前に、究極の力を運に任せて死ぬ思いで尽くすことが必要になるといえる。

 最近に気になりだしたのは、近江商人が「三方良し」といって商売したこと。すなわち、売り手と買い手が得するのは当たり前だが、世間良しということである。金にけちな奴だといわれる前に世間様には、どのような影響を与えるのかを思うことが必要だろう。世間の人は口で云わなくても、よく見ているのである。最近の話では、岡山では「林原事件」が起った。林原靖(元専務)が「破綻」という本を出したが、なんと銀行関係の人が真っ先に読んだようだ。

 最近は、林原健(元社長)が「林原家」という本を出した。同族経営への警鐘を鳴らしている。林原事件は何だったのかということだが、銀行団は利息を受け取っていて殆ど損をしていないはずだ。得をしたのは、事件に頭を突っ込んだ私的処理を仕事にする弁護士集団だったろう。林原健さんも林原靖さんも私宅にある金目の物は競売に掛けられてすっからかんになったようだ。ただ世間一般の人は、林原さんをそんなに悪く思っていなくて可哀想にと思われている。これが三方良しの真髄だろう。世間からうとまわれたのは中国銀行と住友信託銀行のやり方に憤慨を覚えたのかも知れない。

 中国銀行では、長い間融資の担当をしていたから、当然林原のことに係っていた人が左遷されると思われて当たり前と思われるところだが、なんと融資の中心人物が頭取になった。そんなことがあってよいのかと私には理解できない。納得できないことだ。

 住友信託の岡山の融資担当者は、長い歴史の中で自分がたまたま林原事件に当たった時期なのに、東京本部からは左遷させられたと聞いている。随分扱いが違うのには驚いたところだ。三方良しといえるかどうかだが、中国銀行もトマト銀行も経営が極端にその昔、悪かったことがあり中国銀行は岡山の資産家から金を集めた。林原一族からは資本金の約一割程度を資本注入してもらっているのだ。トマト銀行は中国銀行から資本注入してもらっているのである。この一連の救済劇を肝に銘じて助けてくれてありがとうという気持を持ち伝えていきどんなに景気が良くなっても、常に昔のことを思い出し助けてくれた人を大切にすることだと思う。

 世の中には知恵者がいて、毎年 1 月 1 日現在日本に住民票の無い者には市県民税が掛からないことになっているのをよいことに、それを裏手にとり、住所をニュージランドに移しているのだが日本に常にいて日本国中で活動している人もいる。親は赤ペン先生という添削をする仕事をしていたが倒産し、赤ペン先生をした学生や教師は給料を踏み倒され支払はなされなかったという歴史がある。親のやることを子供が真似て税金を払わない戦術に出ているのかもしれぬが、三方良しにはならないでしょう。税金も払わないとはなんと汚い奴だと思われます。どんなに苦しくても税金を払っている人も沢山いるのですから、自分だけ良ければよいという気持であれば世間は納得しません。世間が許しません。

 また最近のシンポジュームで、基本的に考えが誤解しているのではと思ったところだ。若いこれから岡山を背負って立つ岡山を代表する有名会社の専務がデパートの株式 20 %買取ったから、会社を買ったような錯覚を起こしているような言動をしているが、会社を買取るということと一部の株式を、買取るとということは全く違うのですが、調子に乗ってよく分かっていないようです。まだまだ人間として修業が足らないのではないでしょうか。

 靴の底が貫けるまで歩き回って苦労しないと世間良しになりません。老婆心まで…。

  

株式会社 馬場総合鑑定所

馬場 勉

 

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