第38回(平成22年12月7日)

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物忘れは老化現象か?

 ある著名な脳神経外科の医師と話す機会があった。私が、最近物忘れをするので困ると云ったところ、「それでも、重要なことは覚えているだろう」とのことだった。確かに大切な事柄については、しっかり記憶していると回答した。ということは、どうでもよいことは聞き流して忘れ去ってしまっているのだ。要は、頭脳には一定のキャパシティー(容量)があって一杯になってあふれるとそれ以上は忘れることによって頭脳の器を調整して空きの余地が生じた分しか新規にインプットできないということらしい。それに追い打ちをかけるように、脳神経が死滅していっているそうだから、老化現象は起きるのだろうと思う面もある。

 要するに、パソコンの記憶容量や処理能力の問題と比較してみればよいのである。性能の高いものもあれば、そうではないものもある。それに時間とともに機械ものには耐用年数がありいつかは使用不能に陥る。人の頭脳も高い能力のものもあれば、残念ながらそうでもないものもあるようだ。私の浅はかな考えではそんなに大きな差はなく、常時頭を使うかどうかにかかっているように思う。また、社会経験の少ない若い人は脳の容量に空きがたくさんあるし新鮮なため勉強すればする程効率よく入力可能ということだろう。しかし、年配になれば人生経験が長くなり色々なことで容量がいっぱいになっているため、新しいことが覚えきれないで非能率ということなのだろう。

 思い当たるふしがある。先日、岡山商工会議所主催の第6回岡山文化観光検定試験というものを受けた。 1 級から準 3 級まで 4 段階ある。私は 2 級を受験したが 正解率7 割以上の合確点に達せずあえなく不合格だったということです。こういうたぐいの試験は、年配者が得意とする論理的思考を問うというより記憶力がためされるのである。縷縷説明したような次第で、大筋では流れを理解しても細かい点について質問されれば、あいまいになってしまって正解が把握しにくい。オリンピックは参加するところに意義があるそうだが、賞味期限過ぎた高齢者である私が挑戦したことは評価されこそすれ、トラウマに悩まされて落ち込むことは考えなくてもよいだろう。しかし、今後試験というたぐいのものには、今回を最後にしたいと思った。もうこりごりだというのが本心です。

 ただ、岡山県に関する多方面からの資料や説明によりおかやまの歴史、文化、経済、政治、さらには動物・植物・鉱物・天文に至るまで、ありとあらゆる分野のことがそれぞれの専門家の説明と解説で面白くわかっただけでも収穫はあったと満足している。

 別段、生活がかかっていることではないから、受かる受からないの問題ではないと自分を慰めているところだ。冷静に、考えてみるとやはり、試験というものは統計的にみて、 20 代、 30 代の合格率が高く、年齢が高くなるにしたがって合格率が低下していくのが一般の実態である(不動産鑑定士の試験でも統計的にいえる)その理由の説明はいろいろあると思うが、私が専門家から聞いた話には信憑性があるように思えるのだが如何でしょう。

 こうみてくれば、気が楽になります。一つのことのみに専念してなんとかバカといわれるようになれる人は、その専門分野では十二分な知識が豊富に蓄積されることになるはずで幸せ者ですが、気の多い人はうすく広く多方面に頭を突っ込むので広い知識はもてるが、深みはなくて浅くなるであろうことは十分に理解できる。ただ、いわゆる平均的な凡人の頭脳が前提の話だ。が、世の中には、ずば抜けて頭が冴えている人がいるからそういう人は特別扱いにしましょう。俗にいうではないですか、天才と狂人は紙一重と…。

 私は、天才でもきちがいでもないことが証明されたことだけは確かです。それで、よかったと思えばよいのです。それが一般人の人生というものですから。

 

株式会社 馬場総合鑑定所

馬場 勉

 

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